いのちを還す森

あたらしい故郷ふるさとの森へ

環境を破壊しない、自然そのままの森に祈りの場を

高度成長期以降、日本の都市郊外にみる多くの霊園は、山を切り開き、森を壊し生き物の棲家を奪って開発されたものでした。こうした大規模霊園は、地方から都市へと移動した人びとが形成した核家族といわれる新しい家族のニーズに応えたものです。しかし、次世代に継がれる間もなく家族の単位は2人、1人とさらに小さくなり、これまでのように「家」と結びついたお墓のありかたは、今、社会に必要とされる形ではなくなりつつあります。

不透明な未来に向けて、社会は激しく変わり続けています。
私たちはいのちを、何処にどのように還したら、未来世代にとってより良いのでしょうか。

私たち財団は、中山間地域の限界集落にあって、小さいながら広葉樹の美しい森を託されています。私たちはその森を「いのちを還す森」と呼び、自然とつながる祈りの場として、生き物のにぎわいや、その土地らしい景観を担保しながら、できるだけ自然に近い形で、未来世代へつなぎたいと考えています。

私たちが「いのちを還す森」として整備の計画をたてている森についてご紹介します。

その森は、早池峰の南裾、遠野の市内でも緑の深い地域にあり、現地パートナー、クイーンズメドウ・カントリーハウスの宿泊棟から森の中を30分ほど歩いたところにあります。途中には、駒形神社に続く馬道らしき小路(今は使われていない)があったり、小さな沢を越えたり。
小高い丘にある明るい広葉樹の森には、四季を通じて生き物の気配があり、にぎやかな<いのち>の合唱に包まれます。

自然の景観を損なうものは設置しない、思い出と記憶を取り出すきっかけをみつけに。

私たちがいのちを還したいと想う森には、人間のためだけの、墓石のようなものを必要としません。八百万の神に守られた日本には、本殿を持たない神社が数多くありますが、それは山など自然そものものが信仰の対象であったからです。私たちのいのちも、役割を終えた後には墓石に固定されるのではなく、山野を吹き抜ける風のようになりたい。

私たちはまた、この森を祈りや瞑想の場として、あるいは心や身体を整えるための森として整備をして、訪れる人びとを穏やかに清々しく迎えたいと思います。

安心して過ごすことのできる場を設えること、また、馬と一緒に安全に通り抜けることができて、自然の営みを邪魔しないような小路、そして、早池峰山への視線を開く展望の丘の整備などを計画しています。

北欧やドイツなどには、森の自然をそのままに墓苑としているところが多くあります。そうして管理されている美しい森の中には世界遺産となって観光客を迎えていたり、地元の人々がピクニックに通うような憩いの森となっているところもあります。

ドイツ(FriedWald)の先行事例:森は森のまま、墓苑としても在る

あたらしい故郷ふるさとになる森を、みんなで。

私たちは、日本古来からあり続けた自然と人、人と人とのつながり、そこから繰り返し生まれていたいのちの物語が忘れられてしまうことを危惧し、それらを紡ぎなおしたいと考えています。

古今東西、絶え間なく繰り返されてきた、いのちの循環や自然について深く感じ取る時間を持ち合いながら、「いのちを還す森」をみんなでつくる。そうして重ねる時間とともに、かの森はあたらしい故郷のように懐かしくあたたかな場所となっていくのではないでしょうか。

一般財団法人ハヤチネンダの「いのちを還す森」は、亡くなる方のためだけでなく、いまを生きる私たちのいのちが輝くような場所にしたいと思います。ともに活動する仲間と資金を募ります。

私たちの思いに共感してくださる方は、ぜひご一緒ください。

参加するには

「ハヤチネ山ノ上倶楽部」について


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