ハ ヤ チ ネ ン ダ のはじまり
2020年5月28日
たより
はじまりは<遠野>でした。
2000年に、遠野の山あいに生まれた小さなゲストハウスQueen’s Meadow Country House。この場所が私たちの縁を結んでくれました。
森や草原で、人々や馬たちと過ごす時間は特別なものでした。それは、遠野という土地がくれたギフトのようなもの。
はじめは、この農的な環境をこれからも守っていきたいという願いから、在るべき樹木葬をここで、と目論みました。けれども考えれば考えるほど、知れば知るほど、私たちに必要なものは、新しい「いのち」をめぐる物語。それは、古くからある日本人の死生観に立ち返ることで、取り戻すことのできるものではないかと考えるようになりました。
遠野は昔ながらの精神文化が色濃く残る土地です。そのような土地の力が、私たちを、日本人の古層に眠る「いのち」の物語に導いたのかもしれません。
それは、ただ「いのち」の終わりを考えることではなく、生き生きと「生きる」こと、そう、<今>を支えてくれるものだと気づきました。
遠野で、自然や人々と交わりながら、東京で、希薄になる「いのち」のつながりに目を凝らしながら、私たちは、答えを求めてハヤチネンダ をはじめました。
ハヤチネンダの「ハヤチネ」は、北上山地の最高峰、早池峰山から。早池峰は、宮沢賢治が「銀河の森の中心」と詠んだ特別の山。古くから人々の信仰の対象でした。
そして「ンダ」は遠野弁で納得や諒解の言葉。
「ひとはみんないつか死ぬンダね」
「ンダ」
だから、集まって、たくさんのひとと仲間になって、輪になって過ごしませんか。ンダ!