たよりとお知らせ

【終了】「ほんたうのいのち―鹿踊りを巡る旅」写真家・津田直さんを迎えて/2021年7月17日オンライン

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2021年6月17日 ンダ部 on WEB

イベントへのお申込みはこちら(Peatix)
https://ndabu-onweb-04.peatix.com/


———わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。

宮沢賢治は短編集「注文の多い料理店」の「序」をこんな風に結んでいます。

賢治の作品において「すきとほつていくもの」はしばしば過去や未来の存在がここに立ち現れることを意味していると言われます。そのことを通して詩人は 「感官の遥かな果て」(「風の偏倚」)へと行き着くのです。
過去の存在には、失われた<いのち>も含まれていることでしょう。

写真家、津田直さんは、Reborn-Art Festival 2019で「やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる」を発表。作品の舞台となった石巻の牡鹿半島を起点に北へと旅する中で、東北地方に伝わる鹿踊り(ししおどり)を辿り、宮沢賢治の童話「鹿踊りのはじまり」に出逢いました。その後旅は続き、今夏一冊の本「やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる」に結実しました。

津田さんの写真を見る人の多くが、写真の向こうに、みえざるものの存在を感じる、と言います。
それはまた、賢治の言う「すきとほつたもの」を現前させ、わたしたちを「感官の果て」へと連れ出すものであるのかもしれません。

今回のトークイベントでは、「やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる」の作品を中心にしたスライドショーとともに津田さんのお話を伺います。
「写真家である前に翻訳者でありたい」という津田さんが、「ほんたうのいのち」についてどんなことを語るのか、この一夜はきっと、あなたの<いのち>の物語の新しいページを開くような時間になることでしょう。

賢治の童話「鹿踊りのはじまり」は、冒頭の「序」を掲げた「注文の多い料理店」の最後に収録されています。
物語はこんな風に閉じられています。

———それから、さうさう、苔の野原の夕陽の中で、わたくしはこのはなしをすきとほつた秋の風から聞いたのです。


テーマ「ほんたうのいのち―鹿踊りを巡る旅」
お話津田直さん(写真家)
日 時:2021年7月17日・土曜日・19:00〜20:30(終了後21:00までの放課後部活を予定)
場 所:オンライン(Zoomを予定)※見逃し配信あります
参加費:無料(ご招待 学生の方・山ノ上倶楽部会員)
     1,000円(ご参加)
     2,000円(ご参加+応援)
     3,000円(ご参加++応援)

申込みhttps://ndabu-onweb-04.peatix.com/(Peatix)

参加方法:申し込み頂いた方へ当日の午前中に視聴URLをご案内いたします



津田 直(つだ なお)写真家
1976年神戸生まれ。世界を旅し、ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている。文化の古層が我々に示唆する世界を見出すため、見えない時間に目を向ける。2010年、芸術選奨新人賞美術部門受賞。大阪芸術大学客員教授。主な作品集に『SMOKE LINE』、『Storm Last Night』(共に赤々舎)、『Elnias Forest』(handpicked)がある。2021年7月14日〜8月31日、三菱地所アルティアムにて開催の最後のグループ展「絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花。」に参加。

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