たよりとお知らせ

【終了】死者を迎え、送る。「お盆」富川 岳さん×石倉 敏明さん/2022年8月22日オンライン

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2022年8月3日 ンダ部 on WEB

本企画は昨年のコロナ禍により延期になっていたものです。ゲストのお二人とともに遠野の家々に残るお盆の風習を訪ね、その印象のままを絡めてお話いただく予定でしたが、本年も感染拡大を受け、同じ形での企画を断念いたしました。
構成を替えてお送りする2022年版の企画では、遠野と秋田のお盆の比較、東北、アジア、世界、、死者を迎え送る風景と視線についてなど、縦横無尽にひろがるお話を聴けるのではないかと思います。どうぞお楽しみに!

お二人と話したい方はぜひ放課後クラブへもどうぞ!


お申し込みはこちらから
https://ndabu-onweb-05-2022.peatix.com


ンダ部 on WEB #05 死者を迎え、送る。「お盆」

ンダ部8月は、「お盆」をテーマに取り上げます。
みなさまは「お盆」をどのように過ごされているでしょうか。近年はお墓参りもお盆の行事もしていない、という人が意外に多いのだと聞きます。

お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といって仏教に由来するもので、日本に古くから伝わる祖霊信仰と融合したものだそうです。江戸時代、ろうそくなど夜の灯りの普及とともに一般化したという「お盆」は、各地域で様々な習慣が生まれ、今に伝わります。

この時期に馴染みの場所に帰ってくるという死者の魂を迎えてまた送り返す、「お盆」の慣習には、死者の存在に対する畏れとともに、喪失の切なさや痛み、それを共有する労り、礼を表現する様々な設えがあります。秋虫たちの合唱をBGMにして、くるくると畳の目の上を泳ぐ盆灯籠の影の中に、ふと目に見えない誰かの存在を感じたことはないでしょうか。

東北を舞台に「目に見えない存在へのアプローチ」を探る

ハヤチネンダでは特定の宗教だけに依ることをしないのですが、今月は、東北の民俗や芸術に詳しいゲストをお迎えして、岩手県遠野に豊かに残る「お盆」の慣習をご紹介しながら、死者と生者が交接する場と時間について考えてみたいと思いました。

お迎えするゲストのお一人目は遠野在住で文化ディレクターの富川岳さん。『遠野物語』の研究者であり、しし踊りの舞手でもあります。
富川さんを中心に結成された「お盆研究会」による『お盆本』は、遠野、郡上、アイスランドで先祖・死者供養の儀式を調査し、人々が死と向き合ってきた歴史や、そこから私たちが「死」と向かい合う術について考えを巡らせたもので、大変興味深く、ハヤチネンダでも話題になっています。

お盆本 - obonbon
2020/10/23
お盆研究会 (著), 富川 岳 (著, 監修), トザキ ケイコ (著, 編集), 小川 周佑 (著, 写真), 多田 宜史 (著, 写真),多田 栄治 (著, その他)

お二人目は人類学者で、秋田公立美術大学准教授で、民俗や神話学を研究者されている石倉敏明さんをお迎えします。石倉さんは、

地域の祭りや芸能には「目の前の現実を巧みに変形させる様々な仕掛けが伝えられている」「例えば精霊・祖霊を迎えるお盆やお正月の時期には、目に見えない領域と、ある種のバーチャルな回路を開いていく民俗的な技法がある」*1

と仰っていて、「目に見えない存在へのアプローチ」について、新たな視点を与えてくださるものと期待します。

*1 2021/02/23 相馬千秋さんとの対談『いま芸術に必要な「集まる」ことの新しい定義』より

野生めぐり: 列島神話の源流に触れる12の旅
2015/10/27
田附 勝 石倉 敏明 (著)

日本各地の聖地・民俗を、石倉さんが写真家・田附勝さんと旅しながら残した記録。生々しい野生が息づく民俗の世界があります。

石倉さんは秋田から、富川さんは遠野から、死者の存在をめぐるお盆の風習について対談していただきます。


お申し込みはこちらから
https://ndabu-onweb-05-2022.peatix.com


日 時:2022年8月22日(月)19:00〜20:30(終了後21:00までの放課後部活を予定)
場 所:オンライン(Zoomを予定) 
    * 見逃し配信あります

参加費: 1,000円(ご参加)
     2,000円(ご参加+応援)
     3,000円(ご参加++応援)
    ※山ノ上倶楽部会員の方は無料/ンダ部の方は割引があります

申込みhttps://ndabu-onweb-05-2022.peatix.com

参加方法:申し込み頂いた方へ当日の午前中に視聴URLをご案内いたします


案内人プロフィール

富川 岳 (とみかわ がく)

文化ディレクター
株式会社富川屋代表/to know 代表/Iwate, the Last Frontier 共同代表

1987年新潟県長岡市生まれ。都内の広告会社を経て2016年に岩手県遠野市に移住。Next Commons Lab 立ち上げを経て独立。78歳の郷土史研究家の師匠との出会いから、『遠野物語』をはじめ遠野の豊かな地域文化に傾倒し、民俗学の視点からデザイン、スタディツアー、お土産づくり、オリジナルの作品制作や出版、クリエイターサポートなど行う。遠野文化友の会副会長。遠野遺産認定調査委員。遠野縄文万博実行委員。遠野市観光協会理事。張山しし踊り所属。
2019年に「お盆研究会」を立ち上げ、翌年『お盆本』を自費出版。

富川屋 https://www.tomikawaya.com
お盆本 https://www.amazon.co.jp/お盆本-obonbon-お盆研究会/dp/4908480028

石倉 敏明(いしくら としあき)

人類学者・神話学者
秋田公立美術大学美術学部アーツ&ルーツ専攻准教授

1974年東京生まれ。シッキム、ダージリン丘陵、ネパール、東北日本等でフィールド調査を行ったあと、環太平洋地域の比較神話学や非人間種のイメージをめぐる芸術人類学研究を行う。美術作家・音楽家らとの共同調査や制作活動も行ってきた。
2019年、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際芸術祭日本館展示「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」に参加。著書に『野生めぐり 列島神話の源流に触れる12の旅』(田附勝との共著)、『Lexicon 現代人類学』(奥野克巳との共著)など。


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