たよりとお知らせ

【中止】山ノ上倶楽部特別プログラム「遠野のお盆を訪ねて」ご案内 (2022年8月14日〜17日)

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2022年6月28日 山ノ上倶楽部

【開催中止のご案内】
ここのところのコロナの感染拡大を受けまして、地元行事への参加が難しくなりました。大変残念ですが、本企画を中止とさせていただきます。

遠野のお盆行事は、地元の方が長年大切に伝承されてきたもので、観光化されているものではなく、それだけに得難い機会でした。しかしながら、この感染拡大下では、他地域からの客人を迎えることに、地元の方の心を煩わせることになるかもしれず、今回は見学のお願いを取り下げることといたしました。
既にお申し込み頂いた方、ご検討下さったみなさまには、このような結果になり本当に心苦しく思います。私たちも本当に残念ですが、アテンドしてくださる予定だった富川岳さんにも、「いつかかきっと!」とお話をいただいております。

なお、ハヤチネンダでは富川さんと、人類学者の石倉敏明さんとの、お盆をテーマにした対談(オンライン配信)を8月末に企画しております。 よろしければ、ぜひそちらにお越しください。

遠野に伝わる地域性に富んだお盆の風習

日本に古くからあるお盆の風習。
お盆は、古来からの祖霊信仰と仏教が習合したもので、一説によるとその起源は八世紀に遡るといいます。最近ではその伝統も次第に失われてきているようですが、遠野やその周辺の集落には今も独特の風習が色濃く残っています。

たとえば小友町の「ミソウロウ」。念仏集団が寺と新盆の家とを巡り和讃をささげます。「ミソウロウ」とは、初めて盆に祀られた死者の霊「新精霊」を意味しているそうです。

魂が迷わねように迎え火を焚く習慣は各地に見られますが、遠野の一部の集落では「迎え灯籠木(ムカイトロゲ)」が立てられます。高さ10mもの木に提灯がさげられ、門かどに並ぶ光景には胸を打つものがあるといいます。

そして「墓じし」。伝統芸能として有名な「鹿踊り(ししおどり)」は、お祭りや時に観光行事の中で目にすることができます。「鹿踊り」にはそうしたハレの踊りとは違う供養の踊りがありますが、”他所者”である私たちはなかなか出会うことができません。

送り火には「舟っこ流し」が行われます。遠野では男たちが火をつけた舟を引いて川を歩く行事が長く続けられてきました。

遠野のお盆が現代に伝える死者との縁

遠野の地域文化を新しい視点や手法で発信し続けている富川岳さんは、その著書『お盆本』の中で

「2018年夏、はじめてお盆を岩手県遠野市で過ごし(中略)、昔ながらの風習に魅了された。先祖を大切に思い、目に見えない存在と過ごす数日間はゆらゆらと燃えるろうそくの火のように、あの世かこの世か判別のつかないうつろで不思議な感覚を覚えた(遠野は自分の故郷でも、自分の先祖がいるわけでもないのに)。」

お盆本 - obonbon(2020発行)より

と語っておられます。

死者は供養を通して守護者となり、その交わりのなかで人々は日々の暮らしの安寧を得、時間を超えたつながりを確かなものにできたのでしょう。

お盆が遠い思い出のようになっても、何百年も続いてきた風土の記憶は、私たちの身体の中に拭い難く在るのかもしれず、遠野のお盆を訪ねることで再びその感覚を呼び覚ますことができるのかもしれません。


プログラム概要

遠野に古くから残るお盆の行事を、遠野在住で「お盆本」の作者である文化ディレクター・富川岳さんとともに訪ねます。
あわせて、富川岳さんに遠野のお盆の風習についてお話を伺う時間も予定しています。見て、参加して、学ぶ、遠野のお盆・民俗学の旅。少人数限定の開催ですので、きっと深い時間になると思います。ぜひご一緒ください。

【遠野のお盆行事と予定されているプログラム】

8/14  ミソウロウ
8/15  「遠野のお盆について学ぶ一日」

  • 地元の方に聞く「迎え灯籠木(ムカイトロゲ)」のこと
  • 善明寺の供養絵額見学
  • 遠野市立博物館見学「遠野の信仰について」
  • 「お盆本」の共著者、富川岳さんのお話の会
    ※書籍『お盆本』1冊を差し上げます。

8/16 墓じし・舟っこながし

※コロナの影響もあり、お盆行事につきましては、地元の決定で中止になる場合もございます。恐れ入りますがご了承ください。
※詳しい旅程はお申し込みくださった方にお知らせいたします。

【日程】2022年8月14日〜17日 3泊4日
 集合:14日 13時10分 JR遠野駅(予定)   
 解散:17日 10時  JR遠野駅(予定)

【宿泊】クイーンズメドウ・カントリーハウス
  https://hayachinenda.org/about/tono.html 
 ※お一人で参加の方は他の参加者の方と同室になることがございます。

【料金】会員価格 148,000円 (税込154,000円)
    一般価格 178,000円 (税込195,800円)
※宿泊費、食費、遠野滞在中の移動費、テキスト(お盆本)・講師代を含みます。
宿泊費は直接クイーンズメドウ・カントリーハウスへのお支払いとなります。

【定員】 6名(先着順) *7/1より一般募集を開始いたします。

【最少携行人数】 4名
 *恐れ入りますが最少携行人数に達しない場合は中止となります。

【キャンセル】 8月1日以降のキャンセルにつきましては100%のキャンセル料が発生いたします。

【募集締め切り】 8月7日(日)

【お申し込み方法】 8月7日までに必要な情報を添えて下記へお申し込みください。 

contact@hayachinenda.org                         

  • お名前 
  • ご住所  
  • 性別        
  • 当日ご連絡可能なお電話番号  
  • メールアドレス          
  • 食物アレルギーなど、宿泊にあたりまして留意すべき点がございましたらお知らせください。 
  • 緊急のご連絡先

「遠野のお盆を訪ねて」案内人プロフィール

富川 岳 (とみかわ がく)

文化ディレクター
株式会社富川屋 / to know 代表
Iwate, the Last Frontier 共同代表

1987年新潟県長岡市生まれ。都内の広告会社を経て2016年に岩手県遠野市に移住。Next Commons Lab 立ち上げを経て独立。78歳の郷土史研究家の師匠との出会いから、『遠野物語』をはじめ遠野の豊かな地域文化に傾倒し、民俗学の視点からデザイン、スタディツアー、お土産づくり、オリジナルの作品制作や出版、クリエイターサポートなど行う。遠野文化友の会副会長。遠野遺産認定調査委員。遠野縄文万博実行委員。遠野市観光協会理事。張山しし踊り所属。
2019年に「お盆研究会」を立ち上げ、翌年『お盆本』を自費出版。

富川屋 https://www.tomikawaya.com
お盆本 https://www.amazon.co.jp/お盆本-obonbon-お盆研究会/dp/4908480028

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