【中止】山ノ上倶楽部特別プログラム「遠野のお盆を訪ねて」ご案内 (2023年8月14日〜16日)
※残念ながら最少催行人数に達しなかったためこのプログラムは中止させていただくこととなりました。
「ハヤチネ山ノ上倶楽部」では、8月14日から16日(2泊3日)の予定で、特別プログラム「遠野のお盆を訪ねて—- 今に残る風土と祈り」を実施いたします。
今も伝わる遠野ならではのお盆の風習
日本に古くからあるお盆の風習。
お盆は、古来からの祖霊信仰と仏教が習合したもので、一説によるとその起源は八世紀に遡るといいます。
最近ではその伝統も次第に失われてきていますが、遠野やその周辺の集落には今も独特の風習が色濃く残っています。
魂が迷わぬように迎え火を焚く習慣は各地に見られますが、遠野の一部の集落では「迎え灯籠木(ムカイトロゲ)」が立てられます。
高さ10mもの木に提灯がさげられ、門かどに並ぶ光景には胸を打つものがあるといいます。
今回の特別プログラムでは、「今に残る風土と祈り、集落に根付く信仰、異界との交流」をテーマに、遠野のお盆を通して古えの日本人の死生観を学びます。
ご案内いただくのは、遠野の地域文化を新しい視点や手法で発信し続けている富川岳さんです。
遠野のお盆が現代に伝える死者との縁
富川岳さんは、その著書『お盆本』の中で「2018年夏、はじめてお盆を岩手県遠野市で過ごし(中略)、昔ながらの風習に魅了された。先祖を大切に思い、目に見えない存在と過ごす数日間はゆらゆらと燃えるろうそくの火のように、あの世かこの世か判別のつかないうつろで不思議な感覚を覚えた(遠野は自分の故郷でも、自分の先祖がいるわけでもないのに)。」と語っておられます。
死者は供養を通して守護者となり、その交わりのなかで人々は日々の暮らしの安寧を得、時間を超えたつながりを確かなものにできたのでしょう。
お盆が遠い思い出のようになっても、何百年も続いてきた風土の記憶は、私たちの身体の中に拭い難く在るのかもしれず、遠野のお盆を訪ねることで再びその感覚を呼び覚ますことができるかもしれません。
プログラム概要
遠野のお盆には「ミソウロウ」「墓じし」などの伝統の風習があります。
どれも地域の方々が大切に守ってきたもので、外部に見せるものではありません。
また、新盆のお宅で行われることが多く、今年執り行うかどうかはそれぞれのご事情によって変わってきます。
以下のプログラム概要の( )で括った行事は、地元の方々のご厚意で、見学させていただく機会に恵まれれば拝見できるものと、お考えください。
◆ 8/14 13時10分 遠野駅集合
*五百羅漢
200年前東北を襲った大飢饉で亡くなった方のために、花崗岩に多くの羅漢像を彫って供養しました。遠野では人口の1/6が亡くなったと伝えられています。富川さんは、そこに3.11に通じるものを感じると言います。魂を鎮めるために人々はどのような方法を取ったのか。まずはここを旅の出発点とします。
(*ミソウロウ
念仏集団が寺と新盆の家とを巡り和讃をささげます。
「ミソウロウ」とは、初めて盆に祀られた死者の霊「新精霊」を意味しているそうです。)
◆ 8/15 遠野博物館〜
*遠野博物館
特に遠野の人々の信仰を中心に、富川さんにご案内いただきます。
*善明寺 供養絵額
亡くなった人を供養するために家族が在りし日の姿を写して奉納した供養絵がたくさん残っています。
*ムカイトロゲのある風景
ムカイトロゲの意味や立て方を地元の方に教わります。
*遠野に伝わるお盆
富川さんの共著「お盆本」を元にお盆の風習について富川さんにお話しいただきます。貴重な行事の映像も拝見します。
◆ 8/16 〜14時半 遠野駅解散
(*墓じし
伝統芸能として有名な「鹿踊り(ししおどり)」は、お祭りや時に観光行事の中で目にすることができます。「鹿踊り」にはそうしたハレの踊りとは違う供養の踊りがあります。地域の外では滅多に目にすることができません。)
*遠野物語 「山の神と信仰を巡る」
米通集落 山の神の祠、岩の下の不動明王、オシラサマを祀る家 など、「遠野物語」に実際に出てくる場所を訪問します。
【日程】2023年8月14日〜16日 2泊3日
集合:14日 13時10分 JR遠野駅(予定)
解散:16日 14時30分 JR遠野駅(予定)
【宿泊】クイーンズメドウ・カントリーハウス
https://hayachinenda.org/about/tono.html
※お一人で参加の方は他の参加者の方と同室になることがございます。
【料金】会員価格 110,000円 (税込121,000円)
一般価格 130,000円 (税込143,000円)
※宿泊、食費、プログラム費を含みます。ただし、15日の昼食は市中でとりますので、こちらは各自でお支払いください。
宿泊費は直接クイーンズメドウ・カントリーハウスへのお支払いとなります。
【定員】 8名(先着順)
【最少携行人数】 4名
*恐れ入りますが最少携行人数に達しない場合は中止となります。
【キャンセルポリシー】 8月1日以降のキャンセルにつきましては100%のキャンセル料が発生いたします。
【募集締め切り】 8月7日(月)
【お申し込み方法】 8月7日までに必要な情報を添えて下記へお申し込みください。
contact@hayachinenda.org
- お名前
- ご住所
- 性別
- 当日ご連絡可能なお電話番号
- メールアドレス
- 食物アレルギーなど、宿泊にあたりまして留意すべき点がございましたらお知らせください。
- 緊急のご連絡先
「遠野のお盆を訪ねて」案内人プロフィール
富川 岳 (とみかわ がく)さん
株式会社富川屋代表。作家・プロデューサー。
1987年、新潟県長岡市生まれ。都内の広告会社でプロデューサーとして勤務した後、2016年に岩手県遠野市に移住。翌年、地域史研究家の恩師との出会いで『遠野物語』の世界に戦慄し、深く傾倒。以来、遠野にいる強みを活かして民俗学をベースとした様々なプロデュースや創作活動を行っている。また、柳田国男も遠野滞在中に目にし、『遠野物語』序文にも登場する「張山しし踊り」にて郷土芸能の舞手としても活動中。平地人と山人の両面を持ちながら文化振興に励む日々をおくる。遠野市観光協会理事。2019年に「お盆研究会」を立ち上げ、翌年『お盆本』を自費出版。 新著『本当にはじめての遠野物語』。
富川屋 https://www.tomikawaya.com
『お盆本』 https://www.amazon.co.jp/お盆本-obonbon-お盆研究会/dp/4908480028
『本当にはじめての遠野物語』https://tonomade.stores.jp/items/6463f4ceb4ac74002c1e5dd2
松井 真平(まつい しんぺい)さん
編集者・ライター。
千葉県船橋市出身。
出版社、編集プロダクションを経て、2010年株式会社ミルグラフ共同設立。2012年遠野オフキャンパスに参画。岩手県遠野市内に残る町家の修繕・活用計画、生業・集落調査等に関わる。2017年遠野市に移住。現在、フリーランスの編集者として活動しながら、クイーンズメドウ・カントリーハウスにて馬事や農事など日常的なフィールド管理に携わる。2022年クイーンズメドウを運営する株式会社ノースの取締役に就任。遠野ふうけい会議共同代表。重文千葉家の活用を考える会理事。
※この事業は、一部 国土緑化推進機構の「緑と水の森林ファンド」の助成を受けて実施するものです。