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【中止】生と死の間(あわい)で舞う遠野のしし踊り〜芸能と祭と死生観 / 塚田有那さん/2024年1月12日(金)オンライン

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2023年11月1日 ンダ部 on WEB

生きていても、死んでいても、ずっとここに居ていいという安堵感

2023年8月に遠野で行われた「遠野巡灯篭木(トオノ・メグリトロゲ)」では、遠野の集落に伝わるしし踊りが披露されました。

「しし踊りには、その土地のみんなで生きる、という切実な祈りがある」と、有那さんはその時間を振り返ります。同時に、現代を生きる我々にとっても、死者をおくる風習や文化が救いであると、彼女は言います。

生きている人間だけで<いのち>を語ることの限界

2022年5月末から6月頭にかけて東京都世田谷区で行われた「END展」。さまざまな漫画作品のワンシーンと共に、命や死にまつわる問いを来場者に投げかけるというユニークな企画展は、連日予約でいっぱいでした。

何がそこまで人々の心を誘ったのか。そのことも興味深いですが、企画者である有那さんが「END展」を通じて感じたことは別にあるようです。人と人の距離は勿論、人と自然との距離も大きく離れてしまった都市での暮らしにおいて、死や命のことを考える難しさを痛感したとのこと。同時にそれは、彼女が遠野のしし踊りに希望を見た理由とも重なります。

共に笑い、共に泣き、共に飲み食らう。地面を強く叩き、そこに眠る死者の魂を招き、共に未来を願う。年に一度でも、変わらぬ場所で、輩(ともがら)と分かち合う時間。そして自身の命が尽きた後も、きっとその営みが続いていくという確信があること。岩手の地に伝わる死者との舞には、死に対する距離感や、生の豊かさを取り戻すヒントがありそうです。


ゾンビやモンスター、巨人、妖怪、幽霊といったおそろしい存在は、現代のように「生きている人間だけの世界」というあまりに強力な前提が地球全体を覆い尽くしている状況に対し (中略) 生と死の二元論では割り切れない残余を可視化しながら異界との境界を行き来し、現代人の死生観を深く揺さぶろうとしている。

塚田 有那 編集 RE-END 死から問うテクノロジーと社会 / 石倉 敏明 著 生と死をふくむ風景 神話から考える未来の死との関係より

さまざまなもののデジタル化が進み、一見人々は、いつでもどこでもオンラインで簡単に接続できるように思えます。そんな今、なぜ土地との繋がりなのか。そして、自分たちが還る場所をどう考えるのか。お集まりいただくみなさまと共に考えていきます。どうぞお楽しみに。

※このプログラムは、公益社団法人 国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」の助成を受けて実施します。

生と死の間(あわい)で舞う遠野のしし踊り〜芸能と祭と死生観

日  時:2023年11月29日(水)19:00~20:30
    (終了後21:00ごろまでの放課後部活を予定)

場  所:オンライン(Zoomを予定)
     *見逃し配信あります

参 加 費 : 1,500円
      2,000円(ご参加+応援)
      3,000円(ご参加++応援)
     *ハヤチネ山ノ上倶楽部会員(会費あり)の方は無料でご招待します
     *ンダ部会員(会費なし・登録制)の方には割引があります
     *どちらもメールでご案内する割引コードをご利用ください

お申込み:Peatixのイベントページからお申込みください。
参加方法:お申込み頂いた方へ当日の午前中に視聴URLをご案内いたします。


イベントへのお申込みはこちら(Peatix)
https://ndabu-onweb-17.peatix.com/


案内人プロフィール

塚田 有那(つかだ・ありな)

一般社団法人Whole Universe代表理事。編集者、キュレーター。世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。2016~2021年、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム(HITE)」のメディア戦略を担当。2021年、展覧会「END展 死×テクノロジー×未来=?」(ANB Tokyo)、翌年「END展 あなたの人生の物語」(東急ラヴィエールと共催)を主催する。2021年より、岩手県遠野市で民俗・芸能・音楽をつなぐカルチャーイベント「遠野巡灯籠木(トオノ・メグリトロゲ)」を主催。近著に『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』(高橋ミレイと共同編著、2021年人工知能学会AI ELSI賞を受賞)、『ART SCIENCE is. アートサイエンスが導く世界の変容』(共にビー・エヌ・エヌ)、共著に『情報環世界 - 身体とAIの間であそぶガイドブック』(NTT出版)、編集書籍に長谷川愛『20XX年の革命家になるには-スペキュラティヴ・デザインの授業』(ビー・エヌ・エヌ)がある。
http://boundbaw.com/


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