【終了】和暦研究家、高月美樹さんと滞在する「季節と色を紐解く・遠野の森〜秋」のご案内(2024年9月27〜29日)
このプログラムは、『365日にっぽんのいろ図鑑』という書籍を監修されている高月美樹さんが教える「季節の色の関係を紐解くオンライン講座」とタイアップ開催するもので、受講生の方には特別価格でご参加いただくことができます。
秋は、循環の環を閉じながら次へと繋ぐ、結び目のような季節です。「天高く馬肥ゆる秋」でもあって、堂々と肥えた高原の馬たちに会いにゆくのが楽しみな実りの秋。今年もクイーンズメドウの徳吉さんと松井さんがアテンドしてくれます。
さて、今年は、岩手大学から森林の生態系に詳しい松木佐和子先生をお迎えして、森の自然観察をガイドしていただけることになりました!きっと昨年にも増して新しい発見がたくさんあることと思います。
そして、これも嬉しいことに、美味しいお料理を植山美里さんが用意してくれます。美里さんは、南部鉄器OIGENでレシピの連載を持つ料理家。岩手の野菜を中心に創る滋味深いお料理、こちらもどうぞお楽しみに。なお、進行は今回もハヤチネンダ理事の赤池が担当します。
高月さんも会員になってくださっている、ハヤチネ山ノ上倶楽部とのコラボで開催する特別なプログラムです、山ノ上会員の方もぜひご一緒ください。
以下、高月さんからいただいたご案内です。
「もののあはれ」を感じる秋
秋は花野の季節。ひとつひとつは目立たない小さな花ですが、幾千、幾万のくさぐさの種が受け継がれていく壮大ないのちのめぐりこそが、秋の醍醐味。『真暦考』を著した本居宣長は、「もののあはれとは 命のはかなさや愛おしさを知ること」であり、人が生きるための基礎だと説いています。
秋の色、秋のデザイン。自然界を観察していると、自ずと見えてくる摂理の世界があります。いのちのめぐりを感じる2泊3日、みなさまとご一緒できることを楽しみにしております。
花野を見る
ヨメナ(嫁菜)は野菊の代表です。かつては春の若い葉を摘んで食べられることで知られていました。嫁菜の名は嫁のように可憐で美しいから、また鼠(ヨメは鼠の古語)が食べるからとも言われます。ほかにシラヤマギク(白山菊)、ユウガギク(柚香菊)、ノコンギク(野紺菊)などもあり、色も白、うすピンク、うす紫など、野菊の世界は多彩です。本館周辺にも、馬たちが放牧されている荒川高原にもたくさん咲いています。野生の菊の美しさは格別です。
ほかにもゲンノショウコ、アキノキリンソウ、キバナアキギリ、キンミズヒキ、オミナエシ、ツリフネソウ、サワオトギリなどが見られるでしょう。春は花、秋は花野が季語。野花たちが一斉に咲き、小さな実をつけて、次世代へとつながれていきます。
キノコの色を楽しむ
さまざまなキノコが見られる季節。色鮮やかなホウキダケやお花のようなツチグリ。コバルト色に輝くロクショウグサレキンや、さまざまな地衣類。樹木を土に返す役割を果たしている菌類はいのちの循環を知るための大事な要素。地下で樹木同士の会話を助けているのも菌糸ネットワークです。
天高し。馬と会い、空の色をみる
「空澄む」という季語があります。秋の空が高く感じるのは大気が乾燥して見通しがよくなるためですが、実際に高度の高い上層雲がみえるためでもあります。高度5千メートルから1万3千メートルの高いところに出現するのがうろこ雲。さばの斑点のようにみえるさば雲。中層にわずかに灰色を含んで浮かぶのはひつじ雲。国の重要文化的景観にも指定されている荒川高原には、遠野の里で飼われている馬たちが放牧されています。高原に広がる大きな空には、どんな雲が浮かんでいるでしょうか。
好きなもの同士が寄り添い合って自由に過ごす馬たちの姿、好奇心旺盛に近づいてくる馬たちもいます。馬とのノンバーバルな会話の中からも、いのちの在り方を見つめてみたいと思います。
白は「死と再生」の象徴
陰陽五行で秋は、白を司ります。白は「死と再生」の象徴で、命の原点、生々流転の循環を表す色。神前で着る麻衣、喪服もかつてはみな白一色でした。白は無色透明な光そのもの。すべての命は光から生まれ、光に還るという感覚は昔からありました。草に宿る白露、蜘蛛の巣に並ぶ水滴。水澄む、秋光という季語もあるように水にも空にも爽やかな透明感が漂います。秋の光を探してみましょう。
尾花栗毛
君の手もまじるなるべし花すすき 去来
秋の七草、尾花はススキのこと。クイーンズメドウ・カントリーハウス本館周辺にもたくさん生え、びっしりと朝露がつくこの季節は、特に幻想的な美しさを見せてくれます。ハフリンガー種の馬の毛色は、栗毛に金色がかった白いたてがみを持つことから「尾花栗毛」と呼ばれています。ぜひ確かめてみてください。
『暦生活・七十二侯』/ かさねの色目 花薄 はなすすき
https://www.543life.com/content/nipponcolor/post20200904.html
風露
風に吹かれる露はまさに秋の清涼の気。薬草としての名前で知られるゲンノショウコ(現の証拠)は薄いピンクの可憐な花です。別名はフウロソウ(風露草)。本館の周りにたくさん咲いています。
穂張月
和暦では葉月に相当し、稲穂が実ることから穂張月(ほはりづき)、空気が澄んで月が冴えてみえることから素月、秋風月、清月、木染月などの別名があります。稲刈りの季節、田んぼの実りやそこに住む生き物たちを見学します。 いじらしいほど小さな草たちに心を寄せ、愛しむ気持ちが湧いてきます。
和暦研究家、高月美樹さんと滞在する「季節と色を紐解く・遠野の森〜秋」
【日程】:2024年9月27日(金)〜2024年9月29日(日)
*集合:2024年9月27日 13時10分 JR遠野駅
*解散:2024年9月29日 14時40分 JR遠野駅
【参加費】
山ノ上倶楽部会員価格 78,000円(税込)/非会員価格 98,000円(税込)
高月美樹さんの「季節と色の関係を紐解くオンライン講座」を既に受講されている方 82,000円(税込)
山ノ上倶楽部についてはこちら(入会もこちらから)
*参加費には宿泊費と食費、保険料を含みます。
*タイアップ開催のプログラムに付き、特別価格でご案内いたします。
*同性の方と同室になっていただくことになります。
*食事の準備や片付けなど、お手伝いください。
【滞在】クイーンズメドウ・カントリーハウス
【定員】:8名(最低催行人数/6名)
【キャンセルポリシー】
9月13日(金)以降のキャンセルについては、申し訳ありませんが、100%の参加費をお支払いください(代わりの参加者が見つかった場合には、お支払いいただかなくても結構です)
スケジュール(予定)
※各日とも天候・高月さん・みなさんと相談しながら、一緒に決めていきますので、暫定版の行程としてお考えください。
※朝食は参加者みんなでつくります(食材はご用意します)
9月27日(金)[午後]
・13:10 遠野駅に集合
※昼食は車中などでとっていらしてください
・遠野タクシーでクイーンズメドウへ
・自由時間、自己紹介、ハヤチネンダのこと、クイーンズメドウのこと
・馬たちが夏を過ごす、夕暮れの荒川高原で、馬と空の色を見る
・夕食
9月28目(土)
[午前]
・各自朝食
・松木さんと森あるき&季節の色を採集する①
[午後]
・昼食
・高月さんのお話(座学)
・森あるき&季節の色を採集する②
・夕食
・みんなの写真とトークまたは自由時間
・星空観察/暗闇さんぽ(希望者)
9月29日(日)
[午前]
・各自朝食〜自由時間
・馬たちが夏を過ごす荒川高原へ
[午後]
・昼食
・それぞれの時間(出発準備など)
・14:15 クイーンズメドウ出発
・14:40 遠野駅で解散(快速はまゆり15:10発)
お問い合わせ・申込み
contact@hayachinenda.org まで、下記を添えて、メールにてご連絡ください。
・お名前
・参加したい日程(確認のため)
・ご連絡先メールアドレス
・当日連絡可能な電話番号
・ご住所(保険加入のため)
・食物アレルギーの有無
・山ノ上倶楽部の会員/非会員か、または会員への申込み予定がある方はその旨を
・「色と季節の関係を紐解く講座」オンライン版の受講生かどうか
を明記の上ご連絡ください。
*申し込まれた方に、詳しいご案内をお送りします。
案内人
高月美樹(たかつき・みき) 和暦研究家・LUNAWORKS代表。
見て、読んで、感じる手帳『和暦日々是好日』を制作、発行(2003〜)。パラダイム・シフトをテーマに自然の一部として生きる未来の生き方を提案している。NHKオンライン講座、日本CI協会講師。
『婦人画報付録、和ダイアリー』(ハースト婦人画報社)
『にっぽんの七十二候』(エイ出版)
『いやしの七十にゃ候』(KADOKAWA)
『まいにち暦生活』(ナツメ社)
『365日にっぽんのいろ図鑑』(玄光社)ほか監修。
連載『月刊マクロビオティック』、
WEB暦生活・七十二侯 https://www.543life.com/tag/mikitakatsuki/
松木佐和子(まつき・さわこ)/自然観察ガイド
岩手大学農学部 森林保全生態学講師。研究テーマ: 樹木と植食者の関係に注目しながら、森林が健全な状態に維持される仕組みを紐解く研究を行っている。
植山美里(うえやま・みさと)/お料理
料理を通して食と自然がつながることをテーマに人が集まる場づくりを行う。京都、徳島・神山を経て、現在は岩手・遠野を拠点としている。
Webサイト:https://misatoueyama.com/
松井真平(まつい・しんぺい)/
クイーンズメドウ・メンバー
東京から遠野に移住。編集の仕事もしながら、クイーンズメドウで馬事・農事に携わる日々。
農業生産法人ノース 取締役。
徳吉英一郎(とくよし・えいいちろう)/
クイーンズメドウ・メンバー
神奈川から遠野に移住。馬との暮らしを通して、人と馬との関係性について探求する。
共著:『馬と今ここ』